1. ドライブモードで遊ぼう!
さっそくスフィロを動かしてみましょう。このページではiPadを例に説明しますが、スマートフォンやアンドロイドでも操作することができます。自分の持っている機器で、挑戦してみてくださいね。またスフィロの種類はSphero SPRK+を例にしていますが、SpheroBOLTやSpheroMiniも同じように動かすことができます。
1-1. スフィロとiPadをつなげよう(ペアリング)
充電済みのスフィロを広い場所に置いて、近くでタブレットの電源を入れます。
次にタブレットのSpheroEdu(スフィロイーディーユー)アプリをタップしてください。はじめてSpheroEduアプリをタップしたときは、説明の画面が表示されます。ユーザー登録をしないですぐに始めたい場合には、「ゲストのまま続ける」をタップしてください。
下にメニューが表示されるので、右にある「ドライブ」をタップします。
次に用意したロボット(今回はSphero SPRK+)をタップします。
iPadがスフィロを探して、見つけたスフィロのリストが表示されます。表示されたスフィロをタップします。
なおロボットの右側にあるアンテナマークはスフィロの電波状態を示しています。アンテナマークの青色の縦棒の数が多いほど、電波状態が良いという意味があります。もしスフィロがたくさんある場合は、ここに複数のスフィロが表示されます。一番電波の状態が良いものが、もっとも近くにあるスフィロだと考えられます。
iPadとスフィロがつながると、スフィロが青く光ります。これでペアリングができました。
参考:「Bluetoothが「オフ」です」と表示されたら…
ブルートゥース(Bluetooth)とは通信の方法の1つで、iPadはブルートゥースでスフィロとつながります。iPadのブルートゥースがもしオフになっている場合、スフィロを見つけることができません。
このような場合は、iPadの「設定」アプリからBluetoothをオンにして、もう一度、試してみましょう。
1-2. とにかく動かしてみよう
ペアリングがうまくいくと、次の画面が表示されます。
画面の下にある2つの円はそれぞれスフィロに命令を出す場所で、左の円はコントローラー、右の円はスフィロの色の調整で使います。
それでは早速動かしてみましょう。左の丸い円(コントローラー)の中央にある青い点をタップしたまま、指を前にスライドさせて、青い点を前に動かしてみましょう。
青い点の動かすとスフィロが動きはじめましたね。このように、この青い点を動かすことによって、スフィロに動きの命令をだすことができます。
1-3. スフィロに前を教えてあげよう
でも指を前にスライドさせたからといって、スフィロが前の方に動くわけではありません。このままでは動かしにくいですよね。そこでスフィロの向きとコントローラーの向きを合わせてみましょう。コントローラーの左下にある小さなボタン、「AIM」というボタンをタップしてください。
するとコントローラのあった位置に別の青い円と、その上に小さな点が表示されます。
この点をタップして、円にそってスライドさせると、スフィロの青色のライトが動き始めます。
このライトをiPadのほう(操作しているあなた)に向くように調整してください。
青い点から指をはなすと、コントローラーの画面に戻ります。コントローラーに指をおき、前にスライドさせてみましょう。スフィロも前に動くようになりました。
1-4. スフィロをいろいろは速さで動かしてみよう
これでコントロールしやすくなりましたね。次にコントローラーの青い点を少しだけ前に動かしてみましょう。スフィロはゆっくりと前に動きます。また青い点を大きく前に動かすと、スフィロはすばやく動きます。
「ちょっとスフィロが速すぎて、思い通りにコントロールができない…」
そんなときはコントローラーの右隣りにあるバーを上下に動かしてみましょう。スフィロのスピードの最大値を変えることができます。
目印を立てて、その周りをくるくると回して、遊びながらスフィロの操作に慣れましょう。
1-5. スフィロの色を変えてみよう
スフィルの色は右側にあるカラーパネルを動かすと、好きな色に変えて光らせることができます。
またカラーパネルの下のバーで、スフィロの明るさを変えることもできます。
複数のスフィロがある場合は、スフィロの色を自分の好きな色にすると良いですね。コースや迷路などを作って、遊んでみましょう。
お絵かきプログラミングをして動かしてみよう!
2-1. プログラミングって何?
ドライブモードでスフィロを思い通り動かせるようになりましたか。でも、ドライブモードでは、そのときどきで命令をださなければいけないので「プログラミング」ではありません。プログラミングとは、あらかじめロボットに動きなどの手順を伝えておくことです。プログラミングは英語の文字を使って行うことが一般的です。
少し難しそうですね。でも安心してください。スフィロは指を使って絵を描きながら感覚的にプログラミングができます。プログラミングに挑戦してみましょう。
2-2. ドローモードの準備
ドライブモードを試していた場合は、いちどはじめのメニューまで戻ります。コントローラの上の黒い部分をタップして、ドライブモードから抜けましょう。
そして下のメニューから①プログラムをタップして、②右下にあるプラスマーク(+)を押します。
どのようなプログラムを作りますか?という画面が出てきます。①プログラム名は「お絵かき」と入力します。②プログラムタイプは「ドロー」(英語で『描く』という意味)を選び、③下の作成ボタンをタップします。
するとマス目のついた画面が表示されます。
2-3. ドロープログラミングの方法
画面の上を指でなぞると、線を描くことができます。
一度描いた線は、右下にある「戻るボタン」を押すと、消すことができます。それでは早速ドロープログラミング(お絵かきプログラミング)に挑戦してみましょう。「戻る」ボタンを押して一度消してから、①画面の下から上に向かって一本線を描いて、②スタートボタンを押してみましょう。
するとスフィロが手前から奥の方に向かって動きます。
もし別の方向に動いてしまった場合は、もう一度AIM(方向の調整)を行ってください。
このようにドロープログラミングでは指でなぞった通りに、スフィロが動きます。それでは線ではなくて好きなように描いて、スフィロを動かしてみましょう。
2-4. 「お絵かきプログラム」を「英語の文字のプログラム」で見てみよう
「楽しいけれど、これってプログラミングなの?」と思うかもしれませんが、お絵かきで事前に動きの命令をスフィロに与えているので、これも立派なプログラミングです。
「描いた絵のプログラム」(ドロープログラム)と同じ意味をもつ、「英語の文字のプログラム」を確認してみましょう。①右上の縦に点が3つ並んだ設定ボタンをタップして、②「JavaScriptコード」をタップします。
すると英語の文字で書かれたプログラムを確認することができます。ここに表示されたプログラムは、あなたが指で描いた絵と同じ意味があります。
いろいろなドロープログラムを描いて、その絵に対応する英語の文字のプログラムを見てみましょう。
2-5. スフィロの色が途中で変わるようにするには
スフィロの色を別の色に変えながら動かすこともできます。まず1本線を引いてから、左下のカラーパレットをタップします。
次に①赤をタップしてから、②線を右に引きます。
スタートをタップしてみましょう。スフィロが奥から手前に移動するときには青色に、また右に移動するときには赤色に、色を変えながら動きます。どの色で光らせるのか?というプログラミングも、ドロープログラミングで、できましたね。
それでは積み木などで迷路を作って、ドロープログラミングでゴールを目指すなど、いろいろと遊んでみましょう。
ブロックをつかってプログラミングをしてみよう!
3-1. ブロックを使ったプログラミングだと何ができるのか
ドロープログラミングでは、
- ある動作を何度も繰り返す
- スフィロに計算をさせて結果をしゃべらせる
- スフィロのセンサーを使う
といようなプログラミングをすることはできません。一歩進んだこれらのプログラミングを行うことができるのが、ブロックを使ったプログラミングです。ブロックプログラミングは、英語の文字を使ったプログラミングに近く、スフィロに様々な指示を出すことができます。ではさっそくやってみましょう。
ドロープログラミングの画面を開いている場合は、左上にある「戻るボタン(←)」から、メニューの画面に一度戻りましょう。そして前回と同じように右下の「+」ボタンから、新しいプログラムを登録します。名前は「ブロック」として、「プログラムタイプを選択」は「ブロック」を選び、下の作成ボタンをタップします。
3-2. ブロックで命令を出してみよう
ブロックプログラミンの画面には、あらかじめ「プログラム開始」と書かれた黒いブロックがおいてあります。また下のメニューには「動作」「色とサウンド」「コントロール」…などなどいろいろな命令のブロックが分類されて置かれています。
今回はまず①メニューの「動作」にある「ロール」ブロックをタップして、②上にもってきてください。
「ロール」は回転という意味で、スフィロを動かすときに使うブロックです。「ロール」ブロックについて説明します。左側からスフィロを動かしたい方向「0°」、スフィロのスピード「0」、ロール(移動)させる時間「0s」を設定できます。方向の「0°」の数字の部分をタップしてみましょう。すると次の図のように、時計のようなものが出てきます。
0°が手前、90°が右、180°が後、270°が左という意味があります。時計の針のようになっていて、タップすることで針を動かして方向を設定することができます。なお時計の中央の「0°」というところをタップすると、数字キーが出てくるので、この数字をタップして細かい数値を入れることもできます。
次に「「0」のスピードで」の「0」をタップしてみましょう。スピードメーターが現れます。
スピードメーターに指をのせて上下させることで、スフィロのスピードを選ぶことができます。またスピードメーターのとなりにある数字をタップすると、数字キーで細かい数値を入力することもできます。
例えばスフィロを手前から奥のほうに動かしたい場合は、方向を0°、スピードを120、時間を1秒とします。設定ができたらさっそく上にある緑色の「スタート」をタップしてみてください。あれ?動きませんね。
実は黒い「プログラム開始」ブロックとくっつけなければいけないのです。スタートボタンをタップすると「プログラム開始」ブロックについたブロックを、上から順番に実行いていくというルールがあります。。
それでは「スタート」をタップしてみましょう。
ロボットが手前に1秒動いてから止まりました。このように、ブロックを使ったプログラムも、ブロックをおいていくだけなので難しくないですよね。
3-3. スフィロで正方形を描いてみよう
それではスフィロで正方形を描いてみましょう。下のメニューから、ロールブロックをあと3つもってきて、つなげます。
そして値を設定していきましょう。次の図のように、スピードと時間は同じにして、方向を上から、0°(上)、90°(右)、180°(下)、270°(左)とします。
スタートボタンを押してみましょう。スフィロが正方形を描きながら動きます。
なおブロックを出しすぎてしまったなど、不要なブロックを消したい場合には、①消したいブロックをタップすると、②下の方にゴミ箱が現れます。ゴミ箱まで引っ張って消してください。
3-4. 他の人が作ったプログラムで遊んでみよう
プログラミングの上達の一番の近道は、他の人が作ったものを参考にして、構造を知ったり、少し変更を加えて遊んで見ることです。SpherEduアプリ内には、世界中で作られたプログラムがたくさん公開されています。今回紹介するのは、その一例としてSpheroEdu研究会によるプログラムです。このプログラムは、初心者にも、もっとプログラミングを学んでいきたい方にも向けた教本「Sphero 完全ガイド」(小学館)に掲載され、SpheroEduアプリにも公開されて誰でも使えるものです。教本に詳しく説明されているプログラムから、初心者がプログラミングするには難しそうですが、勉強するにはぴったりのプログラムを3つ選びました。下記にあるQRコードから、SpheroEduでも公開されているプログラムにアクセスをして、そのプログラムをコピーしましょう。そして、自分のスフィロのロボットで遊んでみましょう。どんな風にブロックでプログラミングされているのかも見てみましょう。
教本には、簡単なプログラムも含めて、20のプログラムが画像付きで詳しく掲載されています。興味がある方は、こちらでためし読みしてみるのもいいですね。
教本のウェブサイトは、こちらです。
Animal Toss(アニマルトス)
https://edu.sphero.com/remixes/2343198
アニマル(動物)の声を当てるゲームです。輪になって立ち、最初にリーダーがその中の誰かにロボットをトス(高く放り投げて渡す)します。ロボットを受け取ると、鳴き声が聞こえるので、何の動物かを当てます。
サイコロを作る
https://edu.sphero.com/remixes/2343178
ボールロボット(「SPRK+」など)を、サイコロにします。サイコロの役割は、1から6までの数字をランダム(無作為)に出すことです。ロボットを回し、止まったところで、サイコロの数字を声で読み上げます。そして、同じ回数分「メインLED」を点滅させます。
ロボットで奏でる
https://edu.sphero.com/remixes/2343189
思いもよらない方法で、ロボットが「マーチ」を演奏します。音を出すために「SpheroEdu」アプリに入っているサウンド機能は使いません。ロボットに内蔵されたモーターを回したときに発生する音の高低で旋律を演奏します。回転数とその継続時間と組み合わせて、音を作ります。