総合的な学習の時間

  1. 総合的な学習の時間① 小学校6年「Sphero SPRK+でワークラリー」 1時間完了 分類B
  2. 総合的な学習の時間② 小学校3年「Sphero SPRK+を動かしてミッションをクリアしよう」 1時間完了 分類A
  3. 総合的な学習の時間③ ロボットプログラミング プログラマーになろう! 分類C

総合的な学習の時間①
町田市立忠生小学校 教諭 小澤 理
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1)教科

総合的な学習の時間① 小学校6年「Sphero SPRK+でワークラリー」 1時間完了 分類B

2)学びの目的

  1. Sphero Eduのブロックモードを使い、SPRK+をイメージ通りに動かすことで、プログラミングに興味をもたせる。
  2. 提示された条件をクリアするプログラムを考えることを通して、課題解決には様々な方法があることを体験し、試行錯誤しながらプログラミング的思考を深める。

3)指導計画・指導時間

2単位時間(90分)

4)授業構想

本実践は事前にSpheroSPRK+を使って、正方形を描くプログラムを組む学習を行い、基本的な操作を習得した上で実施した活動である。チェックポイントをコース上において、試行錯誤をしながらプログラムを組めるように指導を進める。単調な活動にならないように、難易度を変えた発展的な課題を準備するとともに、ゲーム性をもたせることで興味をもって学習に臨めるようにすることで、プログラミング学習への関心を高めていきたい。

5)授業の概要

生徒に学んでほしい、プログラミングの考え方

本時の学習は、 Sphero SPRK+で決められたチェックポイントを通過し、ゴールを目指すというプログラミング活動を通して、ロボットがプログラミングされた指示通りに動くこと、一度組んだプログラムは繰り返し利用することができることを実感させる。

プログラミング体験の概要

1m先の第1チェックポイントで、右90度曲がり60cm先の第2チェックポイント、さらに左90度曲がって1.2m先の第3チェックポイント(ゴール)を目指すプログラムを作成させる。ゴールした後にも難易度を上げるために以下に示した課題をクリアしながらゴールを目指させる。

  1. 第2チェックポイントで3秒以上止まってゴールをする。
  2. 30秒以内にゴールをする。
  3. 同じルートを往復する。
  4. 同じコースで2周する。
  5. 複数のルートでゴールをする。
  6. チェックポイントの真ん中を通り過ぎる。
  7. 他のチームでも再現できるプログラムをワークシートに言葉で説明文を書く。
  8. シェアタイムで情報交換をする。

授業の流れとSphero Eduの使い方

時間 活動内容 留意事項
0:00 Sphero Eduのブロックプログラミングモードの操作方法を確認する。
チェックポイントを通ってゴールを目指すプログラムを組むという課題をつかむ。
正方形を描く活動は、既習であるため、その時のプログラムを思い出させる。
Sphero Eduの操作方法の説明書を配布し参考にさせる。
0:10 ロール、方向、速さを任意に変えて、チームで考えたルートでゴールを目指すためのプログラムを考え、SPRK+を動かす。 難易度を上げるための条件を提示して、様々な課題解決の方法を試行錯誤させる。
0:35 考えたプログラムを周りのチームと情報交換、共有して自分のプログラムに生かして、SPRK+を動かす。 近くのチーム同士で情報交換する時間をとる。また、停滞しているチームの一助とする。
0:45 休憩 情報交換タイム
0:50 与えられた様々な条件をクリアするプログラムを考え、SPRK+を動かす。 提示した条件の中で、繰り返しを用いたり、新しいルートを工夫したりしているチームの考え方を紹介する。
0:80 チームごとに自分たちが考えたプログラムを紹介し合う。
ワークシートに今日の学習の振り返りを書く。
工夫した点を発表し、学習から学んだことをまとめる。
プログラムを組む時に大切なことを考えさせる。

6)ワークシート

ワークシートをダウンロードする

7)留意点

  • 3人1組のチームで取り組むため、課題解決する際にコミュニケーションを図れるようにする。
  • プログラミングの学習では、準備時間に手間を要することが多い。そのため、できる限り児童による準備を心掛けたい。また、どんな道具が必要になるかを自分たちで考えさえたい。
  • SPRK+のバッテリー切れを防ぐために、予備機を用意しておいたり、休憩時間等に充電をさせたりする。また、無駄な動きをさせると早くバッテリーが消費することに気づかせたい。

総合的な学習の時間②
世田谷区立給田小学校 教諭 牧野 豊
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1)教科

総合的な学習の時間② 小学校3年「Sphero SPRK+を動かしてミッションをクリアしよう」 1時間完了 分類A

2)学びの目的

  1. 短い距離や長い距離などの目的に応じて、プログラムを作り、Sphero SPRK+を動かす。
  2. 目的に応じてプログラムを変化させることで、ねらった動きを考える。
  3. 日常生活の中で速さがどこで使われているかを考える。

3)指導計画・指導時間

1単位(45分)

4)授業構想

今回の活動では、グループでSpheroSPRK+を動かすことを通して、「目標の距離だけ動かす」「必要な動きを分けて考える」「どのような動きが必要か組み合わせる」「協働して試行錯誤する」力を育成したいと考えた。

5)授業の概要

生徒に学んでほしい、プログラミングの考え方

Sphero SPRK+を目的の距離だけ進めるという活動を通して、自分が思い描く動きは、どのようにすればよいか考え、プログラムされた条件を変えることで、動きが変わることを理解させたい。また、自分がイメージした動きと違ったときに、試行錯誤を繰り返していく中で、どこが間違っているのか?なぜ想定通り動かないのかを考える力を養いたい。

プログラミング体験の概要

まず、指定の角度、速さ、時間でSphero SPRK+の動かすことで、基本操作を習得する。次に速さと時間を変えて動かし、それらの関係を理解させる。その上で直線コースでゴールライン上に停止するプログラムを作成する。その後、コースを延長したり、直角に曲がるコースを設定して、ゴールをするためのプログラムを考え実行する。

授業の流れとSphero Eduの使い方

時間 活動内容 留意事項
事前 プログラミングについて知っていることを書き出す。
〇ワークシートの最初の問いである、「プログラミングと聞いて思いつくことを書きましょう。」に記入する。(体育館へ移動する)
落ち着いて記入するために、教室でワークシートに記入する。

<準備物>

  • 紙コップ
  • カラーコーン
0:00 Spheroの動かし方を知る。
〇Spheroの特徴を理解する。
・AIM(ねらい)の意味とその使い方を理解する。
〇角度0度、速さ100、時間1秒に設定して、Spheroがどのくらいの距離を進むか確認する。
・角度0度、速さ10、時間10秒に設定しても同じ距離を進むことを確認する。
  • Spheroを配布する。
  • Spheroを動かすときに進む方向を決める重要なポイントのため、重点的に指導する。
  • 全グループで一斉に行い、誤差が出てしまうことは、人間とロボットの違いであると助言する。
0:15 〇直線コースを設定し、速さまたは時間のどちらかを変えて、ゴールライン上で静止するプログラムを作る。
〈元の数値 角度0度、速さ20、時間5秒〉
・作ったプログラムを発表し、全員が同じプログラムで動かす。
  • スタートとゴールの位置をあらかじめ決めておき、紙コップで見やすくしておく。
  • なるべく多くのプログラムを共有できるように、それぞれのグループを把握しておく。
    ☆プログラムを作り、Spheroを動かすことができる。(観察、ワークシート)
0:25 〇速さ、時間のどちらかまたは両方の数字を変えて、長い距離を動かすプログラムを作る。
〇直角に曲がるコースとその先にあるゴールエリアを設定し、ゴールエリア内で静止するプログラムを作る。
・作ったプログラムを発表し、プログラムを共有する。
  • 直角に曲がるためには、項目を増やし、角度を変えればいいことを伝える。
    ☆目的に応じてプログラムを変化させ、より良い表現ができるように考えることができる。(ワークシート)
  • なるべく多くのプログラムを共有できるように、それぞれのグループを把握しておく。
事後 本時を振り返る。
〇感想等を記入する
 

6)ワークシート

ワークシートをダウンロードする

7)留意点

  • 本学習は、3人でグループを組み、1組に1台のSpheroSPRK+を配布して実践した。グループで実施する場合、一人一人の活動量の確保のを考え、最大4人までとすることが望ましい。また、グループ活動において、話し合いによる思考の場面を設定する配慮する。
  • Sphero SPRK+の充電切れを考慮し、予備機を用意しておく。
  • 実施場所は、教室ではなく、体育館等の広いスペースを用意しておく。
  • 実施場所は、教室ではなく、体育館等の広いスペースを用意しておく。また、床面の違いで誤差も出やすいので、事前に予備実験を行うことが望ましい。※カーペットなどの場合、速度20だとゆっくりすぎて誤差が大きくなることが想定される。

総合的な学習の時間③

1)教科

ロボットプログラミング プログラマーになろう! 分類C

2)学びの目的

  1. プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わいプログラミングについて興味を持ってもらう。
  2. プログラミングとはどんなものか、プログラミングの基本構文(順次処理,反復処理,分岐処理)について理解してもらう。

3)指導計画・指導時間

2時間

4)授業構想

自分が作成したプログラムによってその実行結果がパソコンの画面上などではなく、実際にBOLTが光ったり、動いたりすることで、プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などをより強く感じてもらいICTの分野に興味を持ってもらうことを啓発するものである。

5)授業の概要

生徒に学んでほしい、プログラミングの考え方

BOLTを使ってプログラミングを行なうことによって、プログラミングの楽しさや面白さ、達成感などを味わいプログラミングについて興味を持ってもらう。プログラミングとはどんなものか、プログラミングの基本構文(順次処理,反復処理,分岐処理)について理解してもらう。

プログラミング体験の概要

BOLTとタブレットとの接続・切断の方法を理解する。BOLTをドライブで走らせて、最初にAIM(エイミング)しなければ思った方向に走らないことを確認する。メインLEDを信号のように青、黄、赤と順に光らせるプログラムを作成し順次処理、反復処理について理解する。行って戻ってくるプログラム,四角に走るプログラム、迷路をクリアするプログラムを試行錯誤しながら作成し、プログラミングの楽しさや面白さ、達成感を味わう。光センサーを使用したプログラムを紹介し分岐処理について理解する。

授業の流れとSphero BOLTの使い方

時間 活動内容 留意事項
0:05 いろいろなところでコンピュータが使われており、コンピュータを動かすにはプログラムが必要であることを説明する。  
0:15 BOLTを使用する前に、ルールを説明しておく
・Sphero BOLTを投げたり、蹴ったりしない
・1人ずつ順番に終わった人は次の人と交代する
・みんなができるようにする
BOLTとタブレットの接続・切断方法を確認する。
BOLTとタブレットの接続・切断方法についてしっかり確認させる。接続するBOLTを選択する際に、名前を間違えないように注意を促す。
0:15 BOLTをドライブで走らせてみる。
AIM(エイミング)を説明せず走らせて、思った方向に走らないことを確認した後、AIMを説明して、走らせるときはAIMが大事であることを理解する。
 
0:30 メインLEDを信号のように青、黄、赤と光らせるプログラムを作る。
まず青に光らせて、プログラミングの基本操作を理解する。
光の三原色の説明もする。
その後、ブロックをつないで青、黄、赤とつないで動作を確認。
実行スピードが速すぎて色が変わったことがわからないことを確認し、コンピュータの動きが早いことを確認する。
ディレイを追加して表示の時間を調整し確認する。
順番につないだブロック(命令)を順番に実行する。これがプログラムの基本構文の1つ順次処理であることを説明する。
青、黄、赤と何度も繰り返して色を変えるにはどうしたらよいかを考え、プログラムの基本構文の1つ反復処理で簡単にできることを説明する。
ディレイがないプログラムを確認するとき、作成したプログラムを実行して確認を始めたら、うまく動いていないことが今は正しいことを伝え、プログラムに変更を加えないように指示する。
0:50 追加のルールを説明する。
・プログラミングして動かす
・ドライブで遊ばない
行って戻ってくるプログラムを考えて作成する。
戻ってくる前にディレイを入れてBOLTの動きが止まってから戻らないとうまく動かないことを理解する。
四角に走らせるプログラムを考えて作成する。
四角に走らせるプログラムが完成した後、迷路をクリアするプログラムを考えて作成する。
四角に走らせるプログラムは、レジャーシート(180cm×180cm)の四隅に40cm×40cmの枠をテープで作成しそこを通過するように指示をした。
レジャーシートの裏面に迷路を作成し、四角のプログラムができたら裏返して迷路のプログラムに挑戦した。
時間 活動内容 留意事項
0:05 明るさのチェックのプログラムについて紹介し、プログラムの基本構文である分岐処理について説明する。 今回の指導時間では、実際に分岐処理のプログラムを作成するまでの時間はないため、作成済みのプログラムと動作を見せ説明する。
0:05 まとめ
コンピュータはどこにでもある
コンピュータはプログラムで動いている
プログラムはコンピュータへの指示を書いたもの
プログラムを作ることをプログラミングという
処理とは命令を片付けること
プログラムの流れ(基本構文)は次の3つ
順次処理:ならべた順番に命令を処理
反復処理:くりかえし命令を処理
分岐処理:条件によって命令を変えて処理
みんなで仲良くプログラミングを楽しんでロボットプログラマーになれたか 確認
 
  活動中に時間があれば次のようなプログラムを紹介する
・音を鳴らす
・くるくる回す
・円に走らせる
・絵を表示する
 

6)ワークシート

説明用スライド:20201020_Sphero_BOLT.pptx
・最初と最後のみ使用,操作についてはプロジェクターにタブレットを接続して説明
配布資料:20201020_document.docx
・児童への配付用の資料

7)留意点

  • 今回、2名を1グループに1台のBOLTで実施した。タブレットは1名に対して1台、BOLTをタブレットから接続・切断して共有して使用した。接続時に別のグループのBOLTに接続するなどのトラブルはほぼなかった.
  • 1日に10:00~12:00、13:30~15:30と2回に分けて実施(1回に17名:BOLT 9台)し、前日にフル充電し、1回目と2回目の間に充電を行なった。1回目,2回目ともにバッテリーが消耗し使えなくなることはなかった.
  • グループで1台の場合、長く同じ児童がBOLTを占有する場合があり、様子を見ながら交代を促す必要がある。
  • レジャーシートを使用することで、BOLTを走らせる場所を限定することができる。今回はレジャーシート1枚に2グループ(1グループ:2名、BOLT 1台)を想定した。

8)準備物

レジャーシート(180cm×180cm)
・表面:四隅に40cm×40cmの枠をテープで貼って作成
・裏面:テープを貼って迷路を作成
マスキングテープ
・BOLTに貼って大きくBOLTの名前を書いておく
・BOLTを置くための台としても使用